旅行アプリの「隠れ手数料」商法、どんな顔で近づいてくるか
「手数料ゼロ」「最安値保証」「価格が上がっても今の値段で凍結できる」。こうした言葉は、旅行の予約アプリやサービスで目にする機会が増えています。日本でも、SNS広告・インフルエンサーの紹介投稿・アプリストアのレビュー欄・旅行比較サイトへの掲載という形で、似た訴求をするサービスが次々と現れています。LINEの旅行グループで「このアプリ使ったら安かった」と口コミが流れてくるケースもあります。
今回取り上げるのは、米国の連邦取引委員会(FTC)が旅行アプリ「Hopper」の運営会社を相手取った事案です。FTCは「隠れた手数料を無断で請求し、合計金額やサービス内容について消費者を欺いた」として申し立てを行い、運営会社は3,500万ドルの支払いと、今後の欺瞞的表示の禁止に合意しました。日本のサービスとは直接関係ありませんが、手口の設計そのものは国境を超えて使いまわされます。仕組みを知っておく価値があります。
なぜ多くの人が気づかないまま料金を払ってしまうのか
この種の手口が効くのには、設計上の理由が2つあります。
- 「お得」の演出が先に来て、費用の説明が後に来る「価格凍結」「VIPサポート」といった魅力的な機能名を先に見せ、実際にかかる費用の説明は小さな文字・スクロール先・別画面に置きます。人は最初に受けた印象を基準にして判断するため、後から費用を見ても「さっきの説明の続き」として処理しにくくなります。
- 「損をするかもしれない」という不安を使う「今夜だけこの価格」「あと2席」「価格が上がる前に凍結を」といった表示は、冷静な比較をする時間を奪います。急いで進めた結果、同意した覚えのないオプションが有効になっていた、ということが起きやすくなります。FTCの申し立てでも、ユーザーが同意していない料金が請求されたことが問題とされています。
その場で確認できる3つの見分けポイント
- ① 最終確認画面の合計金額を、最初に見た金額と照らし合わせる決済ボタンを押す直前の画面に表示されている合計額は、検索結果や一覧画面で見た金額と一致していますか。差額がある場合、その内訳が具体的に説明されているかどうかを確認してください。「サービス料」「プレミアム料金」などの項目が、あなた自身が選んだ覚えのないものであれば要注意です。
- ② 「無料」「手数料なし」と書いてある近くに、打ち消し文字や注記がないかを探す「手数料なし※一部サービスを除く」のような注書きが、小さなフォントや薄い色で添えられていることがあります。スマートフォンの場合は画面を拡大して読む、またはPCで同じページを確認するのが有効です。
- ③ オプションの「加入しない」を明示的に選べるか確認する追加サービスが「デフォルトでオン」になっていて、自分でチェックを外さないと